第14章 堕ちてやる
二人の連休が被った日には、夢の国として人気なテーマパークにも行った。
いくつものアトラクションに乗って、たくさん食べ歩きをして、お土産さやんで私が見ていたモノは先輩が容赦なくカゴに入れていて「先輩!?」と驚いた顔をすれば「俺の金の使い所はお前なの」なんて言って全部買ってくれた。最強のお財布事情はどうやら私達とは違うらしい。
最後には花火も上がって二人肩を寄せ合いそれを見上げた。隣にいる先輩を見上げれば「ん?どうした」と優しく声を掛けてくれて、思う…あぁ、幸せだな。こんなに幸せで良いんだろうか。幸せすぎてどうにかなってしまいそうだ。
「五条先輩、幸せだね」
そう呟き彼を見上げれば、先輩は心底愛おしい気に私を見つめそして穏やかな笑みを作った。
「エナ、好きだよ」
遠くでは花火の音がする。
最後のフィナーレだろうか、大きな花火の音が打ち上がった後に、パチパチパチと無数の拍手が聞こえてきて、
「私も大好き」そう先輩に返そうと、その美しいばかりの碧色の瞳を見つめピタリと動きを止めた。