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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第11章 無意識に




いやいや、私ってば呪力感知ザルすぎるでしょ…なんて思いながらも、そういえば私の背後にいるこの人は最強のうちの一人じゃないか。なんて思い出す。



でもしばらくして、そういえば朝に関しては傑先輩はポンコツも良いところだったことに気が付いて…




「…硝子」




一番初めに声を出したのは傑先輩だった。



どうしよう、硝子先輩に見られた。傑先輩の部屋から出るところを。それに、ギリギリ部屋の中にいる私の真後ろからドアへと手を伸ばす傑先輩との距離感は、恐らく何の言い訳も言えないほどの近さだ。



今となっちゃこの距離に慣れてきてはいるが、普通の先輩後輩の距離感などではないことくらい分かる。



きっと何を言ったところで言い訳にしか聞こえないだろう。そもそも、こんな早朝に男の先輩の部屋から出てくるなんておかしいどころの話じゃない。




「おはよ〜」



だけれど、硝子先輩の方から聞こえてきたのはまさかのそんな言葉で、思わず反射的に「おはようございます!」なんて元気に答えてしまった。



「二人とも早起きだね」



まるでいつも通り、何の違和感もなくそんな会話が始まる。




「硝子はこんなところで何してるんだい」



いや、それはあっちのセリフなのでは?なんて思うが、そもそも硝子先輩がこんな朝早く男子寮を歩いている事もおかしい事に今さら気が付く。



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