第11章 無意識に
二人でゴロゴロしながらテレビを観て、今日あった出来事なんかを話す。初めの頃は緊張して仕方なかったはずなのに、今ではすっかりこうして夏油先輩と一緒にいることが当たり前になって来た気がする。
つまりこれは夏油先輩が言っていた、お互いを利用するという行為が成功しているということになるのかもしれない。私が夏油先輩の役に立ててるかは分からないけれど、この前聞いた時は「もちろん役に立っているよ」と笑顔で言われた。
しかし、未だに五条先輩のことを想い、苦しくなることも泣きたくなることも、胸が押しつぶされて仕方ない時ももちろん数え切れないほどある。
それでも私の心が少しでも軽くなっているのならば、それは間違いなく夏油先輩のおかげだから。
ベッドへと潜り込み布団からひょっこりと顔を出せば、当然みたいに夏油先輩が私の身体を引き寄せ包み込む。
「結局、年末年始は一日もお休みありませんでしたね」
「人の流れが多い時期は呪いの数も極端に増えてしまうからね」
「せめて代休くらい欲しいのに」
「一年は休みをもらえるらしいけれど、私達は恐らく無理かな。一月中は忙しいだろうね」