第9章 合同任務
「…あの女の人達、お祭りで先輩達に声かけてた人達ですよね」
小さく話し始めた私に、夏油先輩はこちらへゆっくりと視線を移す。
「うん、そうだよ」
「コンビニで待ち合わせしてたんですか…?」
何故だか微かに震える声、どうか違って欲しいと願いたくなるほどに心もとない声が落ちる。
そんな私の気持ちを察したみたいに、夏油先輩は出来る限りの優しさの含まれた声を出すと、ベッドから立ち上がり私の前で足を止めた。
「違うよ。どうやら彼女達は祭り会場から私達を付けてたらしいんだ。この付近まで人混みが凄かったからね、さすがに気がつかなかった」
「…付けられてたんですか?」
「コンビニにいる時にまた話しかけられてね、無視をしていたんだけれど結局ここまで来てしまって」
なるほど、そういうことだったのか。それで五条先輩は結局一人お持ち帰りしたって訳ね…
目の前の夏油先輩はやはりどこか申し訳無さそうな表情を見せると、私の頭を優しく撫でた。
ゆっくりと、まるで私を慰めるみたいに。そっと頭を撫でてくれる。