第9章 合同任務
花火を見るころにはもうお腹はパンパンで、人混みで満腹のお腹が押されないか心配になるほどだった。
「寒くないかい?」
私の隣に座っていた夏油先輩が、こちらを覗き込むようにして首を傾ける。
「少しだけ寒いけど、でもこのくらいなら慣れっこなので大丈夫です」
真夏だろうが真冬だろうが呪術高専の生徒達はこの学ランを手放すことはない。何故なら夏服もなければ冬服もないからだ。まぁ要するに2年もこの制服を着ていたら、この服へと体が自然と順応しつつあるわけだ。
まぁだからと言って、都合よく完璧なまでに暑くもなく寒くもないなんてことはもちろん無いんだけれど。
手に持っていた七ちゃんの買ってきてくれたホットの缶を握りしめていると、ふわりと肩に掛けられた温かいモノ。そして嗅いだことのある安心するこの香り。
「女の子は身体を冷やしたらいけないからね」
私の肩に掛けられたのは夏油先輩の学ランだ。こちらを見つめていた夏油先輩は、瞳を細めにこりと優しく笑う。
「これじゃあ夏油先輩が寒いじゃ無いですか!」
「平気だよ、私はそこまで寒くないから」
「でも」