第9章 合同任務
え、この人全然私の話聞いてないじゃん。思わず唖然とそんなことを思いながらも、隣にいる硝子先輩へと助けを求めようとくるりと顔を向けるが、硝子先輩は先ほどの質問に対しての私の答えを待っているのか、膝に頬杖を付いてこちらを余裕気に見つめている。
どうやら硝子先輩は、完全にこの男の人達の言葉が耳に入っていないらしい。
「君達この辺の子?でもこんだけ可愛かったら噂になってるだろうし、遠くから来たの?」
「いや、あの…私達本当に友達を待ってるので」
「でも見たことない制服だね、それ学ラン?女の子で珍しいね。でもすっげェ似合ってる」
ちょっと待って…この人お耳付いてるの?全然話し噛み合わないじゃん…
どうしたものかと困っていると、ついには私へと話しかけていた男性は私の腕へと手を伸ばし、そしてニッコリと爽やかな笑みを作った。
「あっちの方が良く花火見えるんだ、一緒に行こう」
「えっ、ちょっと…っ」
グイッと引っ張られた私と、もう一人の男の人も硝子先輩へと手を伸ばす。慌てる私とは裏腹に硝子先輩が男達へと睨みを聞かせ「触るな」と言いかけた所で
「はーい、ストップ。お兄さん達俺らの連れに何してんの、死にたい?」