第9章 合同任務
二人をじっと見つめて思う事は、早く戻ってきて欲しい。そんな自分勝手な感情だ。
ナンパに付いて行ったりしないよね…でももしあそこにいる女の子がめちゃくちゃ可愛くてタイプだったら…そしたら、付いて行っちゃうかもしれない。
「どっちの心配してるの?」
「…ぇ?」
「五条?それとも夏油?」
そんな硝子先輩の声が私に小さく届いて、にっこりと楽しそうに笑みを使った硝子先輩へ視線を向けた時だった。
「ねぇねぇ、君達女の子二人なの?俺達も男二人なんだけど良かったら一緒に花火見ても良い?」
こちらへと降って来たのはそんな知らない声。それにピクリと身体を揺らし声のした方へと顔を向ければ、少し前屈みになって私達を見下ろしている二人の男の人がいた。
「あ、いや…今友達を待ってるので」
あまりに突然のことで、そう慌てて口にする。いや、今はこんな人達のことよりも、さっきの硝子先輩の言葉が気になった。
私が心配しているのは、五条先輩なのか…それとも夏油先輩なのかという話しだ。だけどそんな私の思考を鈍らせるかのように「うわ、やっぱり君達二人ともめっちゃ可愛いね!!」と、声をかけて来た男性は嬉しそうにニコニコと笑顔を見せた。