第9章 合同任務
「彼女達に汚い手で触らないでくれるかい、腕の骨を折られたく無かったらね」
そこにいたのは、恐ろしいほど綺麗な笑顔を作った五条先輩と夏油先輩だった。
そして私と硝子先輩を掴んでいた男の腕を、五条先輩と夏油先輩が今にも粉砕してしまいそうなほど強く握りしめる。
「イタタタっ…ちょッ…折れる!!」
「ッマジで折れるって!!」
最強二人に腕を掴まれているんだ。そんなの本当に一瞬にして折れたって可笑しくはない。それでも未だに声を出せているのだ、かなり手加減はしてくれているのだろう。そうじゃなければ、今頃あの人達の腕は形が保てないほど粉々に砕けていただろうから。
「遅いんですけどー」
「それが助けてもらった奴の言うセリフかよ」
「硝子はツンデレだからね、仕方ないよ」
「夏油、ウザイ」
ケラケラと笑いながら、腕の痛みにもがき苦しむ男達二人を五条先輩と夏油先輩はドサリと雑に離すと、ニヤリとその瞳を細め笑みを見せた。
この二人、一見タイプは全く違う傾向にあるはずなのに…こういうところはソックリだ。
「ほーら、さっさと失せろ。じゃねェと祓っちまうぞ?」
「祓うのかい?せてめ生き埋めくらいにしといてあげよう」
いや、どっちもどっちだなどと思いながら、こんな強面の長身イケメン二人に恐ろしいほどの笑みを浮かべられたら心肺停止もんだろうと男性達を気の毒に思いながらも、二人がこちらへ来てくれた事に喜ばずにはいられない。