第9章 合同任務
二人の顔が恐ろしく整っていることなど、誰がどう見ても分かることだった。
五条先輩はまるでおとぎ話の中から出てきた王子様みたいな見た目をしているし、だって白銀のサラサラな髪にうっとりするほど綺麗な碧色の瞳だ。見惚れない方が無理だろう。まぁちょっと…口が悪いのがたまに傷だが…それすらもカバーする見た目の持ち主だし。
夏油先輩は年齢よりもずっと落ち着いた雰囲気があるからか、一見強面イケメンに見えるけれど、それでも一言話しその穏やかな笑みを見れば、誰がどう見てもこの人が信じられないほどのモテ男だと言う事は一目瞭然だった。もう夏油先輩って行動の一つ一つ全てがモテ男なんだよね。
「あ、またアイツらナンパされてる」
私の視線に気が付いたのか、硝子先輩も私と同じ方向へと視線を向けると呆れたように溜息を吐き出した。
何故ならば、あの二人がモテる事によって一番被害を受けているのは間違いなく硝子先輩だからだ。きっと「何あの女ー」とか言って睨まれた事なんて数え切れないんだろう。
「あの二人、目立ちますしね」
「まぁ、顔だけは良いからね」
顔が良いだけではなく、おまけに脚も長くて長身だ。こんなの女の子達がほっとくはずがない。