第9章 合同任務
せめてもの救いは混み合っているお祭り会場のおかげで、少しばかり人の熱気と屋台の熱気で暖を取れるというくらいだ。
だけどタイツを履いているとわいえ、私と硝子先輩はスカートなわけで…まぁそれなりにスースーしていて寒い。
「分かりました、何飲みますか?」
「んー、甘酒」
「そんなの売ってるんですか?」
「知らない、売ってそうじゃない?」
「無かったら諦めて下さいね。柊木は?」
「私はミルクティーで!ありがとう七ちゃん」
硝子先輩と引っ付くようにして少しでも冷たい風から身を守っている私達を、七ちゃんは「変な男が来ても着いて行かないで下さいね」と言うと「私らにナンパしてくる奴らなんてそういないでしょ」と硝子先輩は楽しそうにケタケタと笑った。
「それは五条先輩と夏油先輩がいる時限定でしょう、今は居ないんですから注意して下さい」
「はいはーい、甘酒よろしくね〜」
ふりふりと手を振る私達二人を見ながら、七ちゃんは呆れたように溜息を吐き出すと「何かあったらすぐに電話して下さい」といって人混みへと消えていった。