第9章 合同任務
補助監督の用意してくれたホテルは、駅からは少し離れた大きめのビジネスホテル。
急遽泊まることになった為皆んな部屋の階はバラバラで、雄ちゃんと七ちゃんだけ二人同室らしい。
どうせなら硝子先輩と私も同室が良かったな。なんて思いながら泊まる予定が無かった為、近くのお店で買った着替えを袋から取り出していると、ピンポーンというビジネスホテル特有の軽いインターフォンの音が鳴った。
「ん?誰だろ」
持っていたスウェットをベッドへと置いて扉を開ければ、そこにいたのは雄ちゃんと七ちゃんだ。
「二人ともどうしたの?」
「今日この近くで結構大きなお祭りがあるんだって!花火も上がるらしいよ!一緒に行こう」
明らかにワクワクとした顔付きで前のめり気味に私へと笑顔を向ける雄ちゃん。
「冬にお祭り?珍しいね!」
「何でも近くの神社の神様が冬神様だとかで、毎年冬に大きな祭りが開かれるそうですよ」
「へぇ〜、屋台とかもあるかな?」
「大きいお祭りだから屋台も沢山あるんだってさ!」
「やったぁ!学ランとマフラー持って来るからちょっと待ってて!」
室内へと急いで戻れば、脱ぎ捨てていた学ランを羽織り薄い水色のマフラーを首へとぐるぐるに巻き付けると、携帯をポケットへと突っ込んで再び急いで扉へと向かった。