第8章 気まぐれ
歩けばヒラリとお尻が見えてしまうレベルの私を、上から見下ろす五条先輩は呆れたように溜息を吐き出す。
「お前ってマジで隙しかないよね」
隙?なんて思いながらも今はそれどころじゃなくて、慌てて部屋に戻るとぐちゃぐちゃに脱ぎ捨てられていた服の中からパンツを見つけてそれを急いで履いた。
先輩は私がノーパンだって分かってたなら、起きた瞬間に言って欲しかった。パンツちゃんと履けよって!いや、まって、それはそれで死にほど恥ずかしいわ。
「飯買って来る」
「え、ご飯?と言うか今何時?」
「13時、誰かさんのせいで腹減って死にそう」
「13時!?私そんなに寝てた!?」
「いびきかきながらグーグー寝てたわ」
「嘘っ!!」
「嘘」
ぐるりと振り返って五条先輩を睨み付ければ、いつの間にか直ぐ後ろに戻って来ていた五条先輩がティーシャツの隙間から手を差し込んで、先ほど履いたばかりの下着が丸見えになる。
「せっかくだし、第二ラウンドいっとくか」
「へ?何言って…っ」
昨晩は深夜まで一体何度果てたか分からないほどに快楽へと転がり落ちていたというのに、これでもまだ足りないというのか。思わずギョッと目を丸くすれば「ノーパンで誘われたの初めてだしな」なんて信じられないほどにデリカシーの無い言葉を言われ、真っ赤に赤面した私を楽しそうにクスクスと笑う。
「冗談だよ、つーか腹減ったし。コンビニ行くけどお前何食う?」
え、何を食べるか聞くって事はつまり…
「私まだここにいて良いの?」