第1章 無茶な恋
無茶な恋をしている自覚はあった。
だからこうしてベッドで身体を合わせた後、たとえベッド上で先輩が他の女の人と電話をしていても咎める資格なんて私にはないし、そんなことをすれば一瞬で捨てられてしまうことも分かってる。
だから私は何も言わない。
ただひたすらに先輩の都合のいい相手でいたし、数いるセフレの1人だとしてもそれで構わなかった。
それほどまでに先輩が好きで好きで苦しくて、目の前が見えなくなるほどに先輩をたまらなく好きだった。
馬鹿みたいだ。
何度自分にそう呟いたか分からない。それなのにこの関係を辞められないどころか…いつ終わるかも分からないこんな儚い関係に必死にしがみついている自分が情け無くて仕方がなかった。