第8章 気まぐれ
これも、きっと以前の私ならこんな夏油先輩の可愛らしいところを知る事も無かったと思う。
以前よりも夏油先輩との関係が少し近くなったから、こうして夏油先輩のこんな可愛いところも知る事が出来た。
何だかそれって少しだけ、自分だけが知ってるみたいで優越感だ。
だっていつも夏油先輩は大人で優しくてスマートで。そんな夏油先輩のこんな可愛いところを知っているのは、高専内で私だけなんじゃないかなんて思うから。
寝起きが悪いところも何だか意外で可愛いかったしな。
送られてきた写真を見る限り雪だるまの背後は晴天だ。良かった、今日は晴れてるんだ。
「可愛い雪だるまをありがとうございます!今日は晴れなんですね!任務頑張って下さい!!」と可愛い絵文字付きでメールを送れば、夏油先輩から送られてきた雪だるまの画像を保存してそれを待ち受けにした。
「へへっ、可愛い」
さて、これからどうしよう。五条先輩が帰って来るまで何して待ってよう。待ってろって言うくらいだから夜中に帰ってくるなんて事は無いと思うけど…
うーんと悩みながらもとりあえずベッドに座りテレビを付けた。
五条先輩の部屋にこうして自分だけでいる事を許可されたのが嬉しくて、ついにやけてしまいそうだ。