第8章 気まぐれ
「お前明後日まで休みだろ?」
「うん、そう。五条先輩は?」
「俺は明日朝から任務。明後日は休み」
「そっかぁ、じゃあそろそろ寝ないとね」
ベッドへと寝転んだ五条先輩は当然のように私のスペースを作ると、そこへと手招きをした。
「泊まっていいの?」
「お前がいた方が温かいし」
「寮の隙間風すごいもんね」
湯たんぽ代わりだっていい。五条先輩の隣にいられるのなら…何だって良い。
少しでも長くこの人と一緒にいたい。この人を独り占めしたい。
だってこの部屋を一歩出てしまったら、私達はただの先輩と後輩に戻らないといけないから。
こうしてそばにいる事も、隣でくっつく事だって出来ない。そんなこと許されはしない。
「五条先輩、おやすみ」
私が目を閉じ五条先輩の開けてくれたスペースへと潜り込めば、五条先輩は私をぎゅっと抱きしめたあと、そっと額へとキスを落とした。
「明日の朝、起こして」