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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第8章 気まぐれ




「別に、だだの気まぐれ」



うん、だよね…そうだよね。分かってたはずなのに何で聞いたんだろ。少し甘い言葉でも囁いてもらえると期待したのかな。



何か恥ずかしくて情け無い。本当こりないな…私も。




いや、でも例えただの気まぐれだったとしても五条先輩がこうして私の為にDVDを借りて来てくれたんだからそれで良いじゃ無いか。



こんな機会滅多にない。昨日に引き続きこんなご褒美みたいな事があっても良いのかと思うほどだ。



「DVD、何借りて来たの?」




気持ちを切り替えてそう話を振る。私が前に観たがっていたDVDってどれの事だろう?いくつか言ったことあるからなぁ。




「老夫婦が旅に出て最後派手に死ぬやつ」



「………ウソでしょ…今のネタバレ」




「気にすんなよ、結果が分かってたとしても映画の面白さは今さら変わんねェから」




いや、それは人によって違うのでは!?

ネタバレが好きな人ももちろんいるし、絶対に知りたくない派の人だっているはずだ。



私は残念ながら後者なわけで…




「それ聞きたく無かった」と呟けば、五条先輩はこれまた嬉しそうに「はっ、残念だったな」なんて悪役みたいな言葉を吐き出してニヤリと笑みを作った。



その表情はまるで本物の悪役だ。




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