第8章 気まぐれ
だけどそれと同時に、私が雪だるまの事についてメッセージを送ったから、寒い中せっせと作ってくれたのかと思うと、何だかそんな夏油先輩がまた可愛いくて思わずふふっと笑ってしまった。
そんな感じでとんでもなく穏やかな1日を過ごした。こんなにゆっくりとするのはいつぶりだと思うほど。
だから…
何の気まぐれだと思った。
一体何の気まぐれでこんなことになったんだと困惑せざる終えなかったし、彼が私の部屋に来るなど未だかつて無かったその出来事に、思わず何度も目を擦り目の前を確認したほどだった。
「…え、五条先輩どうしたの?」
夜21時頃になり、コンコンと軽くノックされた部屋のドア。もしかして硝子先輩が様子を見に来たのかな?なんて思いながらドアを開けて、目の前に立っている人物に驚くしかなかった。
だって目の前にはスウェット姿の五条先輩が立っていたからだ。
え、ていうかここ女子寮…他の女子の先輩にバレたらとんでもなくボコボコにされるのでは?なんて余計な考えが頭に浮かぶほど困惑する。