第7章 不器用な優しさ
ハッとして目を覚ませば辺りはすでに真っ暗で、外からの月明かりとポツンポツンと見える光のみだ。
「…今何時」
枕元に置いておいたスマホを手探りで探せば、違う物がコツンと手に当たる。
「ん…?」
暗闇に慣れてきた瞳でよく見れば、そこには数冊の漫画が置かれていた。しかも見覚えのある漫画だ。確か雄ちゃんが最近ハマってるって言ってたやつ。
夕食の後に見に来てくれると言っていたから、暇を持て余している私に持って来てくれたのだろう。後でお礼のメッセージを送っとかないと。
そんな事を思いながらスマホを手に取り、時間を確認して思わず驚いた。
え、もうすぐ0時??高専に戻って来たのが夕方17時ごろだったから、ざっと計算しても5、6時間は寝ている。やはり内臓までえぐられただけあって疲れていたのだろうか…
よろよろとベッドから起き上がり医務室の入り口にあるスイッチを押してベッドへと戻ってくると、これまたベッド横に置いてある小さな台の上に何やらコンビニの袋が置かれている事に気が付いた。
なんだろう?これも雄ちゃんかな?それとも七ちゃん?いやでも七ちゃんは絶対安静でコンビニなんて行けるわけがないし、やっぱり雄ちゃんか。