第6章 二人の最強
身体中が痛い。
痛くて熱くて重たくて…身体が酷く疼く。
ギリギリと奥歯を噛み締め震える身体を抱きしめた。
意識は無意識のうちに眠気の中へと連れ去られていて…疲れと怪我のせいか夢すら見なかったように思う。
それなのにも関わらず、強く強く布団を握りしめる様にして知らずのうちに痛みを誤魔化していた私の頭を…とても穏やかで温かな何かが触れ、そして撫でてくれたように感じた。
額に垂れる冷や汗を拭い取り、そして優しい声でこう呟いたのだ。
「無事で、本当に良かった…」
と。
今にも消え入りそうなそんな声で、少しばかり震える声を噛み締める様にして。
そんな小さな声が眠っている意識とも夢の中とも違う…
そのまた向こうの遠くの方から聞こえた様な気がした。