MapleProject〜Happybirthday〜
第12章 新木紫音誕生日特別ss
でも、社長が言うように、 いい育て方なのかと問われると、疑問を持たざるを得ない。
「可愛がられてるのは確かです。 欲しいものはなんだってもらえたし、したくないこと、 両親がしなくていいと判断したものはしなくてよかったから」
『でも、 弟さんとの扱いの違いが気になったんだね?』
「......はい」
『でも、なんでこの世界に来ようと思ったんですか? 自立って言っても方法はたくさんあると思うんですが…..』
「"人間"になったわたしを、 両親に一番知ってもらいやすいと思ったからです。 努力することには慣れてるので、歌もダンスも頑張ってきました!」
『そう。 なら実技楽しみにしてるね。 では、次の質問に行きます。』
「ありがとうございました!」
『こちらこそありがとう。...... あ、 そうだ。 私がご両親と知り合いだからって贔屓したりはしないから安心してね?』
「っ!...... ありがとうございます! 実力で合格を掴み取ってみせますっ!!」
『ふふっ、 その意気よ』
新木さんが退室して、 軽く現時点の選考を話し合う。
『彼女は合格でいいと思うのよね...』
『どうしてですか?』
『一応実技次第ではあるけど...、 合格基準は満たしてきてる気がするし、なにより、 あの性格。 愛される性格してると思わない?』
『確かに、ご両親に可愛がられてきただけありますよね』
『うーん、それはどうかな』
『え、どういう...』
「失礼します!」
次の子が入ってきてしまって、その言葉の真意は聞きそびれた。
そして実技試験の時間。
「うん、やっぱり新木さんは問題なし! 合格でいいわ』
『確かに、合格基準としては文句のつけ所がないですね』
『そうね。 デビューにはまだまだではあるけれど、 彼女なら努力してデビューを掴めるでしょう。 そのためのサポートは惜しまないしね』
そして現在