MapleProject〜Happybirthday〜
第12章 新木紫音誕生日特別ss
··········
しおんは愛玩動物なんかじゃない、 人間なんだよ?
だから、ちゃんと 『しおん』 を見て┈┈┈┈
『あら?あの子......』
『社長、 どうかしました?』
『......いえ、 なんでもないわ』
オーディションが始まって、 スタッフがオーディションの詳細を説明している最中、 社長には気になる子がいたようだ。
『次の人どうぞ』
「失礼します! 新木紫音です! よろしくお願いしますっ!」
『よろしくね』
『よろしくお願いします。 ではどうぞお座りください』
「はーい! 失礼します!」
元気でかわいい子が入ってきた。 表情には出していないが、 社長が気になっていた子は新木さんのようだ。
『ではさっそく質問に入ります。 今回オーディションを受けた理由
を教えてください』
「はい! しぉ... わたしは、 両親から甘やかされて育ちました。 でも、 だからこそ努力を見せないようにしてきたんです」
『努力を ….. 見せない?』
「そうです。 100点を取るために夜必死に勉強してたけど、 『なんとなく取れちゃった!』 って言ったり…その他も、 色々と......」
『それはどうしてですか?』
「両親に喜んでほしかったからです! でも... 努力してる自分を隠してたら、 失望されたくないって考えに変わってきて…。 それで悩んでたときに、 歳の離れた弟が出来たんです。 弟は跡取りとして厳しく育てられてます。 でも私は可愛い可愛いって甘やかされるだけで……。 本当の"人間" として育てられてるのは弟の方で、 わたしは愛玩動物みたいに可愛がられてるように感じて......。 だから、自立しようって決めたんです!」
弟さんが跡取りと言うことは新木さんどこかのお嬢様なのかもしれ
ない。
『 …あなた、 新木さんのところの娘さんよね?』
「え?」
『あ、 急にごめんなさいね。 どこかで見かけたことあるなと思ったものだから。......そう。 新木さん、 そんな育て方してたのね……』
「両親と知り合い…なんですか?」
『ん? 仕事で何度かお会いしたことはあるよ。 いつもお子さんたち2人のこと自慢してたから、いい育て方をしてるのかと思ってたんだけど……』
確かに甘やかして可愛がるのもひとつの育て方ではあるとは思う。
