第2章 1話
大好きなお兄ちゃんだけど、そこだけは本当によく分かんない。
『自分の身位守れるのになぁ…』
ボソッと話したのだが、千冬には聞こえてたみたいだった。
「場地さんはすずちゃんが心配なんだよ、兄貴だからな。」
そういう千冬は笑っていた。
千冬も兄と同じ位優しい。
席は隣だし、東卍のこととかいっぱい教えてくれるから好き。
特に兄について話すときは本当に目がキラキラしている。
『そうなのかなぁ?』
とりあえず納得してみた。
兄は学校では七三分けの変な眼鏡のガリ勉スタイルである。
全部万次郎くんのせいなんだけど、この方が頭が良くなるらしい。
本当なのかな。
それにあやかっているかは分かんないけど、私も三つ編みに黒ぶち眼鏡と地味なガリ勉姿である。
兄や皆からはこの方がいい!と言われてこのスタイルになっている。
私も留年心配されてるから?
まぁ、いっか!
『♪~♪♪』
鼻歌交じりでお気に入りのペンをだしチャイムと共に授業がはじまった。