屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
「この映画、話題作って書いてたけど、あんまりだったね〜」
「…」
ふかふかのソファで私の隣に座り、いつものように私の肩を抱きながら映画の感想を言うガントさん。
「…どうしたの?メオちゃん。深刻なカオ、してるけど…」
やばい、顔に出てた…
「が、ガントさん…わ、笑わないで聞いてくれますか…?」
「うん。どうしたの?」
優しい顔で聞いてくるガントさん。
私は俯きながら、蚊のような声で伝える。
「あの、私たち、コイビト、だと思うんですけど、その…ま、まだ、し、し、してないなぁって…」
ゆでダコもびっくりなくらいの顔になってる自信がある。
「… メオちゃん。」
しばらくの沈黙の後、優しい声で呼ばれる。
恐る恐る顔を上げると、変わらず優しい顔のガントさん。
「…少しずつ、慣らそうと思っていたんだケド…」
ヒョイッ
…ん?ヒョイッ…?
気がつくと、お姫様抱っこされている私。
…え?え?
「ボクの可愛いコイビトがこんなこと言ってくれるんだもん、もうガマンしなくてもいいよね?」
「あ、えっと、ガントさ…」
もう一度ガントさんの顔を見る。
とっても笑顔だが、その瞳の奥には…
…捕食者が見える。
…あ、やばい。
「あ、あの、えっと、別に今すぐと言うわけでは…」
「ん?聞こえなーい(^^)」
私を抱え、軽快に向かう先は………寝室。
初手を完全に間違えたことを察する。
「が、ガントさん…ちょっと待って…」
ささやかな抵抗を試みるも、結局、ライオンに抗うウサギであった。