屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
晴れて(?)ガントさんの恋人になり1週間。ここでの彼の行動を振り返ってみよう。
「…」
私の隣には、黙々と仕事中の彼。
右手には資料を持ち、それに目を通している。
そして左手は、隣に座っている(いや座らせている)私の頬をひたすらプニプニしたり、それをやめたかと思ったら頭をひたすら撫でてくる。
「…ガントさん。左手が使えないのは不便では?」
「ん?使ってるよ?」
「いやお仕事に」
「これは、ボクのジューデンなの。"わーくらいふばらんす"ってヤツ。」
うん。違うと思う。
まぁ、2人の時は百歩譲っていいだろう。いや良くないけど。仕事場だし。
これの何が厄介かといえば、"誰がいてもする"ということである。
「じゃあこれはこの配置でヨロシクね。」
「はっ!了解であります!!」
こんな打ち合わせ中も、オフィスに私がいれば左手は永遠に私に触れている。なんで誰もツッコマないんだ。
勿論、全ての仕事をこのオフィスでやっているわけではない。
しかし、局長に就任してから圧倒的にここでの仕事が増えたらしく、自動的に私は触られ放題というわけだ。
思い出してほしい。これは"仕事中"の話だ。
休憩時間になりようもんなら、私はひょいと持ち上げられて、ガントさんの膝の上に座らされる。
後ろから抱きしめられたり、それはそれは甘やかされる。
うん。いくら私の背が低く小柄で、ガントさんが背が高く屈強でも。
親子かな?という体制で甘やかされるのは、違うと思うんだ。
警察局に来る時も、入り口にはガントさんが待っていて。
「いらっしゃい。ボクのお姫様?」
なんて、普通に言いやがる。
その後は腰に手を回してくるし。
見てるから。みんな見てるから…!!
もうほとんどの人にバレてんだろうな…
そんなこんなで、愛玩動物に成り下がる前に、なんとか自立した人間に戻ろうと、果し状を突きつけた次第だ。