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屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。

第1章 馴れ初め


「皆わかっている通り、ゼン様がお亡くなりになられた今、新しい組長を決める必要がある。」
幹部である爺が指揮をとる。
「代々受け継がれた慣しに従い、ゼン様の息子であるオミ様が組長となる。…よいな、ヒコネ。」
「…」
ヒコネは離さず、不敵な笑みを浮かべるのみ。
「ヒコネ、俺は息子だ。若造の俺の下につくのは嫌かもしれんが、決まりなんだよ。」
オミが低い声でそう語りかける。
「…オミ様。私は、ゼン様の右腕だったと自負しております。幻禡組を良くする為に、果たして慣しが役に立ちましょうか?」
「ひ、ヒコネ、何を申すかッ!」
ざわつく幹部の爺たちを尻目に、淡々と話すヒコネ。
「私は、オミ様の下にはつきません。次期組長は、この私です。」
真っ直ぐにオミを見るヒコネ。オミも表情を一切変えずに睨み返していた。
「では私はこれで失礼致します。オミ様。」
ヒコネはそう言い残すと、会合の場から消えた。
「ひ、ヒコネッ!!!」
「もういい、爺。こうなれば仕方ない」
「ですがオミ様ッ…」
「こうなった以上、争いは止められんだろう。」
相変わらず表情を変えずに言うオミに、爺達は少し恐怖を覚えていた。
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