屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第1章 馴れ初め
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
「ーーーんんーー」
朝日が差し込むカーテンからそよぐ風が心地いい。
ふわふわな布団を抱きしめて、また眠りたくなる。
「………わあああああああ!?!?」
うん、全然そんな詩的なこと言ってる場合じゃないね!?遅刻だね!?!?!?
今日は1限なんだった。しかもテスト科目。聞かなきゃ死ぬ。
私、ヒトリナ メオの悲鳴は、朝の日差しと共に吸い込まれていった。
「いってきます!お母さん!!!」
顔を洗い、服を着替え、なけなしのメイクをし、お母さんに挨拶をする。
…天国にいるお母さんに。
お母さんは5年前に交通事故で亡くなった。母子家庭の為、今は1人で暮らしていた。
生みの父には会ったことはないが、毎月お金が送られてくる為、バイトと合わせてなんとか生活できている。
「あぁ、お腹すいた、絶対お腹鳴るし、というか寝るし…」
1限に萎えまくっている自分をなんとか奮い立たせ、大学へ向かった。