第8章 Rose
伸ばした指先が薔薇をつまむ。
それを待ち侘びていたかのように、一輪の薔薇は素直にリヴァイの手の中に収まった。
「これが、お前の言っていた、俺に残すものなのか? なぁ、ローズ」
──それはきっとあたしの代わりになれる。
──そしてどうか、それだけをあなたの手元に置いていてほしいの。
──それで、それを見るたびにあたしを思い出して。
「あぁ」
これを見るたびにお前を思い出そう。
これを見るたびにお前の声を思い出そう。
これを見るたびに、お前と過ごした日々を思い出そう。
何があろうと、決してお前を忘れないと誓おう。
「999本の薔薇の花言葉」
“何度生まれ変わってもあなたを愛する”