第7章 Odontoglossum
「だってあたしはもうすぐ死んじゃうし、きっとリヴァイはもっと長生きをするだろうからあたしの存在が呪いのようになってほしくなかった」
「お前の存在が呪いになるわけねぇだろ」
リヴァイの言葉にローズは唇を噛み締めた。その言葉がなにより嬉しくて、それと同時に心がひどく痛んだ。
「でも、でもね、あたし、あなたに自分の想いを告げずにいて、あなたに忘れ去られるのはもっと耐えられなかった」
リヴァイと口をきかなくなってからずっと考えていた。
このまま仲違いをしたままだったらどうしよう。ずっと話をせず、だれもいないところで死んでしまったらどうしよう。そうして、リヴァイの中でいなかったことにされたら。
考えるだけでローズの身は震えた。
「ローズ……」
「愛してる、あなただけをずっと」
ローズは両目から涙をこぼした。リヴァイは手を伸ばして頬に伝う涙を拭った。
「ありがとう、ローズ」
リヴァイの声にも涙が滲んでいるようだった。だがローズはきつく目をつむっていたからそれが見えない。
「俺も、お前を愛してる」