• テキストサイズ

999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第5章 Big blue lilyturf



 ローズが倒れてから一週間が経った。
 この一週間、リヴァイが「どちらにせよ養生は必要だ」と言い張り、ローズを家から一歩も出さなかったのだ。


「じゃあ、行ってきます」


 まだ看病したりない、と言いたげなリヴァイに手を振り、酒場へ急ぐ。
 店主をはじめ、よくしてくれている常連さんはきっとローズのことを心配しているだろう。体調不良はよくなったことを伝え、またいつものように元気に働こう。


「いらっしゃいませ〜」


 ドアベルが来客を告げる。
 ビールを運んでいたローズは声を出し、顔を上げた。


「空いてる席にどうぞ!」


 二人組の客がいた。地下街の人間ではないのだろう。こざっぱりとした、まだ青年と言ってもいいくらいの見た目だ。
 

「何緊張してんだよ、エルヴィン」

「いえ、地下街に来たのは初めてなので」


 先輩らしい男が、落ち着かないように店内を見渡す青年の肩を叩く。
 金髪の青年はどうやらエルヴィンというらしい。

 ローズはメモ帳片手に二人組の座った席へと近づく。


「いらっしゃいませ。注文は決まったかしら」


 ローズの声にエルヴィンが目を上げる。
 綺麗な青い瞳をしていた。


/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp