第4章 柴大寿を尻に敷く女
目を丸くする大寿君に、私は続ける。
少し、恥ずかしい。
でも、大寿君にもっと私を欲しがって、全てにおいて縛り付けて欲しい。
私は貴方の、貴方は私のだと思わせて欲しい。
やっぱり私は、欲張りだから。
「そういう趣味か?」
「ううん。ただの興味と、相手が大寿君だから、かな……」
クスリと笑い、大寿君はベッドから降りてネクタイを手に戻ってくると、私の手首を縛る。
「痛くないか?」
「うん、大丈夫……ふふ、何か変な感じ」
「俺は、いい眺めだけどなぁ」
縛った両手を頭の上に挙げて、シャツのボタンがゆっくり外されているのを見ながら、段々恥ずかしくなって来る。
今日の下着は見られて大丈夫なやつかとか、そもそも体に自信があるわけじゃないから、体を見られる事に関しては、今更足掻いた所で変えられる訳じゃないから、諦めるしかないけれど、それでも変じゃないかとか、色々考えるわけで。
「あ、あのっ……」
「あん? 今度は何だ」
「私、その……あんまり、胸大きくないし、綺麗な体とかじゃない、し……ムラムラさせるほどセクシーでもないし……だから……」
モゴモゴ言う私に、大寿君は一瞬ポカンとした顔をしたけれど、すぐに笑い始める。
「はははっ、別にんな事気にしねぇよ」
「でも、あまりに子供っぽい体だったら、その、嫌いになったり、しない? 他の子がいいとか、思わない?」
言う私の髪を大きな手でくしゃりとして、優しい笑みを浮かべる。
この笑顔が凄く好きだ。
私にしか見せない表情がたくさん増えていって、それが嬉しくて心が温かくなる。
「アホか。俺はお前の体を好きなったんじゃねぇ」
言われて、顔が熱くなる。
「へぇー……普段から大胆な発言ばっかのお前も、照れたりするんだな。貴重なもん見たわ」
どんな事でも、大抵は平気だったのに、大寿君の言動とかこれから始まる行為を考えると、嬉しさも助けてか、どうも調子が狂ってしまう。
要は、浮かれてしまうのだ。
「おら、お喋りは終わりだ、俺に集中しろ」
「ぁっ……」
なかなか出す事がない、自分の甘い声に羞恥を覚えて縛られて挙げられた腕に唇を付けて、声を抑えようとするけど、それをいとも簡単に阻止される。
更に挙げられた腕は、大寿君に押さえられる。