第5章 本当の入学初日
「〜〜〜♪」
一心は鼻歌を歌いながら上着をハンガーに掛けネクタイ外し、ワイシャツのボタンを外しているとズズイ…ズズイ…と緑谷が近付いてきた。
「あ、あのさ!一心君!!」
「ん?」
「さ、ささささささっき!!す、凄くかっこよかったね!!みんなの緊張を解してたし…」
「ヘヘッ!そっか!ありがとな!」
満面の笑みを浮かべる一心
(ん”ん”……!!
こ"こ"ろ"が"じ"ょ"う"か"さ"れ"る"!!)
「……緑谷〜?」
「だ、大丈夫!!…あ、あのね、それと!その連絡の交換って僕もして…良い…かな?」
「なんだよ〜言い決まってるだろ!むしろ俺から頼みたいぐらい!」
「そっか…そうなんだ…へへへへ♪」
とても嬉しそうに笑顔を作って笑っている。
「そんなに嬉しそうにされるとこっちも嬉しくなるな!」
一心はズボンを脱ぎ体操着のズボンに足を通すのだが…
(なんだろ…緑谷がすっごいジーッと見てくる)
チラッと見てみると緑谷は直ぐにバッと目を逸らし黙々と着替えている。
(……????)
「なぁ、緑谷って細身に見えたけど結構ガッチリした体付きなんだな!」
「っえ?!そ、そそそそ、そうかな!?その…一心君も中々…凄く凄いと思う…ボソボソ」
「本当?!ありg」
そんな話をしていると
「おい、さっさと着替えろボケが!」
後ろから爆豪のイライラした声が飛んできた。
「……。もしかして待ってくれてる?」
一心がそう言うと無言の圧力がドッと来た。すぐさま残りの着替えを済ませロッカーを閉じる。
「緑谷もはy」
「てめぇだけに言ってんだよ!」
クワッ!っとまた噛み付いて来るような顔をする爆豪をドウドウと抑える。迷い困った挙句一心は
「うぅ〜…ごめん、緑谷!また後でな!
待ってるなら待ってるって言えばいいのに『爆豪』!」
「別に待ってねぇわ!!」
「え?!嘘?!理不尽!?!」
そんな会話をしながら爆豪と一緒にグラウンドに向かった。
ポツンと取り残された緑谷は時が止まりそうな頭を動かし一つの答えを導く
(……一心君かっちゃんに取られた?!)
そこに飯田がやってくる
「意外だなあの二人が仲が良いとは…」
(……?!)
「朝喋ってる様子はなかったが、もしかしたら試験会場が一緒だったのかもしれないな」
(………?!?!)