第2章 突然のデート、、?
『俺っちハイボールで!』
気付くと燐音さんは店員さんを呼んで注文を始めていた。
『チャンは何飲むんだ?』
「あ…えっと、梅酒のロックで」
『ヘェ…カシオレとかじゃねぇンだな(笑)』
「…!別にいいでしょ!!」
もう少し可愛らしいドリンクにすればよかったかと一瞬後悔したが、よく考えたら可愛らしく振る舞う理由もない。梅酒のロック、好きだしいいや。
『あとは軟骨の唐揚げと〜ズリと〜』
燐音さんは慣れた口振りで次々と注文していく。
『チャンは何食いてェ?』
「さかな…」
『んじゃ、刺身の盛り合わせで』
一通り注文を終え、ザワついた店内とは打って変わって燐音さんと私の間には沈黙の時間が流れる。
「…で、なんで私の事ここまで気にかけてくれるんですか」
『だから言ったろ?チャンは運が良かったんだって。この天城燐音様と晩メシ食えてんだぜ?』
「まぁ、運は良かったかもしれないですけど…。」
よっぽど暗い顔でバイトをしていたせいで、気を使わせてしまったのかもしれない。