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白と黒と泡沫の少女【NO.6夢】

第3章 西ブロック


「次、ユキでも紫苑でもシャワー入ってこいよ」
「あ、ネズミ!」

この本はなに?全部きみの本?
質問攻めにうんざりしながらネズミが答えていたが、船を漕いでいるユキを見て紫苑を呼ぶ。

「あぁ、ユキ!まだ寝ちゃ駄目だよ」

ちゃんとシャワー浴びてからね、と紫苑がユキの手を引っ張り上げる。
そのままシャワーへ連れて行こうとしている紫苑に、ちょっと待てとネズミが止めた。

「紫苑?まさか一緒に入る気か?」
「?その方が早いしユキも眠そうだから」

頭を抱えるネズミ。
いくら兄妹でも2人とも良いお年頃だ。
抵抗していないユキは寝惚けているのか別に構わないのかどっちなのか。

ベリッと紫苑とユキを引き剥がし、ユキをシャワー室へ押し込む。

「ユキ、先にシャワー浴びろ。着替えはそこにおいてあるものを使え。…いいか紫苑」

こくりと頷いたユキを見てから、シャワー室から遠ざかるネズミ。
なにやら紫苑に説教をしているような声を聞きながら、ユキは服を脱いだ。



「ネズミ、シャワーありがとう」
「………」

次どうぞと紫苑を呼んだユキを見ながら、ネズミは固まった。
女物の服は無い。
舞台衣装ならあるが、流石にあれを着させるのも…。
そう思ってとりあえずネズミのシャツとズボンを置いておいたのだが。

「ユキ、下は」
「どうやっても落ちちゃうから、私のショートパンツ洗ってはいてる」

ピラ、と捲ったユキの手をネズミが慌てて押さえた。
ネズミのシャツはユキにとっては大きく、ショートパンツはその大きさに隠れて見えない。
つまり遠くから見ると何もはいていないように見えるのだ。

はぁとため息をつくネズミに、ユキが首を傾げた。

「明日はあんたの服を買ってこないとだな…」
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