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白と黒と泡沫の少女【NO.6夢】

第3章 西ブロック


ロストタウンに来てから、生活のため火藍はパン屋を始めた。
紫苑やユキと同じように特に不便とも感じておらず、むしろ前よりも生き生きとしている。

「明日からバターロール増やしてみようと思うんだけど…」

それと簡単なケーキも…という火藍の言葉に、紫苑は少し上の空で返事を返していた。
火藍が心配そうに声をかけるが、紫苑は何でもないと首を振った。



「ネズミ…」

4年前、無事に逃げ出せたんだね…。
声を聞けてユキはホッとしていた。
濡れた服を洗濯かごへと入れる。

「少しだけ声が低くなってた気がする」

紫苑も4年で随分と男らしくなったと思う。
沙布も美人になって、2人が恋人同士になれば美男美女カップルになりそう。

そこまで考えて、ユキはうーんと唸った。

「でも1人になるのは寂しいな…」

別に遠くに行くわけでもない、でも紫苑が他の人のところに行くのは…。
考えながら湯船へと浸かる。

そのユキの髪と瞳は、水色と金色に輝いていた。



次の日。
ユキは紫苑と帰ろうといつものように森林公園に来ていた。
しかしいつもと何かが違う、

「………?治安局の車…?」

紫苑がいるであろう管理事務所に向かって歩いていると、突然鼠がユキの道を遮る。

「あれ?昨日の…」

その鼠がサンポに乗ると監視カメラに向かって口を開いた。

『ユキ 紫苑 逃げろ 危ない』
「紫苑!?」
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