第2章 暖かな日々
その後1人でセンゴクの執務室を訪ねた。
センゴクは、机で書類作成をしていた。沢山の書類が散らばっている。
いつもあっけらかんとして疲れを見せないがとても忙しい人なのだ。
「お、どうした?休憩か?おかき食うか?」
私の姿に気付くと絶対に一度はこちらに目を合わせて話しかけてくれる。
はそんな些細な事に嬉しくなってセンゴクの足にぎゅっとしがみつく。
「なにかあったのか?」
ふるふると頭を左右に振る。
「そうか、どれ。おいで」
そう言って、手を伸ばしてくれも両手を伸ばして抱っこをせがむ。
ギュッと抱きしめてくれるその腕は力強くては安心する。
「私はね大切な人にはいつでも笑顔でいて欲しいの」
「ふむ。」
「なんて言ったらいいのかな…ロシナンテにはもっと笑って欲しい」
先程の兄上の話をした時のロシナンテの顔が痛々しかった。苦しかった。
そんな顔をして欲しくないとそう思った。
「やっぱり何かあったのか?」
「わかんない……どうしたら笑ってくれるのかな…どうしたら夜泣かないで居てくれるのかな?」
いつも前髪で目元を隠し、人と目を合わせるのを怖がっているように見えるロシナンテ。
ずっと不思議だった。何故困ったように眉根を寄せて笑うのか。
「は私に大好きだと、愛してると言われてどんな気持ちになる?」
「嬉しい…」
「ロシナンテも一緒だ。愛は人の固く閉ざされた心を溶かす。私はそう思うんだ…」
それはなんとなくわかるかもしれない。
「はロシナンテが好きか?」
「もちろん!センゴクさんも!」
「あぁ、ありがとう。つまりだ。その気持ちをロシナンテに伝え続けるしか無いと思う。」
「伝え続ける…ロシナンテに伝わるかな?」
「それは私にもわからん。応えてくれるかもしれんし、応えてくれんかもしれん。」
「えぇ!?応えてくれないのはヤダ!!!」
「にはまだ難しいかもな。でもな、愛っていうのはそういうもんだ」
いつか、笑ってくれるかな。
センゴクさんみたいに。
笑ってくれるといいな。
だって、ロシナンテの笑った顔はきっと最高に可愛いと思うのだ。