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海軍日誌

第2章 暖かな日々


が拾われてきてから暫くたった頃はセンゴクと少しでも一緒にいたくて海兵の制服を着て雑用の仕事に励んでいた。

が拾われた頃はすでにロシナンテも制服を着て雑用仕事に励んでいたが恐らくは同じような理由だろう。

兄妹のような関係の私たちはいつも一緒に雑用の仕事をしている事が多い。
今もそうだ。2人でモップがけをしている

「に兄妹はいた?」

唐突にロシナンテはに質問を投げかけた。
私には多分兄妹は居ないと思うと答えると

「そっか。ボクには兄上がいたんだ」

と、教えてくれた。
ロシナンテがどういう経緯でセンゴクに出会ったのかはには分からないけれど、センゴクに会う前の生活はとても過酷だったんじゃないかと思う。
だから未だに夜泣きしたり、1人で眠れないんじゃないかとはなんとなく気づいていた。

センゴクは初めから気づいていて、だからこそ夜泣きを咎めたりもせずみんなで一緒に寝る環境を作ったのではないかと思い至った。

の生活はロシナンテ程過酷ではなかったんじゃないかと思う。

汚い環境で、変な目で周りから見られることはあっても誰かから暴力を振るわれたりすることは無かったし。
スラム街の大人たちは親切だった。

「兄上はいつもボクを守ってくれた」

ロシナンテが、過去のことを話すのは珍しい。

「…いいお兄さんだったんだね?」

当たり障りのないように返事をする。
そんないい兄と何故今一緒にいないのか?疑問だったが聞くのは何となく止めた。

ほら、ロシナンテの顔が引き攣る。

「今はロシナンテが私のおにーちゃんでしょ?」

そう言うとロシナンテは少し嬉しそうに口元を綻ばせた。
おにーちゃん、モップかけおわったから片付けよう?
そう言ってロシナンテと一緒にバケツとモップを片付け始めた。
兄上の話をしてくれたのはこれが最初で最後だった。
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