第2章 暖かな日々
叩いて起こしてやろうと頭をよぎった…起きたら良いのだ。こちらだって起こされているのだから…起きたら泣き止むだろうとそんな軽い気持ちだった。
手を振り上げたら、センゴクさんの大きい掌に止められた。
「…」
「あ…ごめんなさい。」
怒られるよりも先に嫌われると思った。怖くなった…捨てられる…しかしセンゴクはの頭を優しく撫でそれからロシナンテを抱き締めた。
「すまんな、も疲れて眠いだろ。寝てていいぞ。」
「…」
そうじゃない、私は…
ロシナンテを抱きしめるセンゴクさんの顔を見る。
優しい顔。一切嫌そうな顔をしてない。
なんでこの人はこんなにも優しいのだろうか。
「センゴクさん、眠くない?」
「ん?あぁ、大丈夫だ。」
体の大きいセンゴクさんが、ロシナンテを赤ちゃんのように抱っこして背中をポンポンしている。
それがとても羨ましいと思った。
はあぐらをかいてロシナンテを抱っこしているセンゴクの足に頭を乗せる。
なんとなく、そうしたいって思ったから。
「…?」
「ジャマならどかしてください…」
「どかさんよ。…お休み。」
ロシナンテの背中をポンポンするのを一旦やめての頭を撫でる。
胸が心が暖かくなる。
そっか、私は甘えてるロシナンテが羨ましかったんだ。
気がついたらロシナンテの泣き声は聞こえなくて、いつの間にかも眠ってた。
次の日執務室で居眠りするセンゴクが居たとか…居なかったとか。それは同期のガープとおつるしか知らない微笑ましい出来事だった。