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海軍日誌

第3章 北の海と潜入


メインマストにはデカデカとドンキホーテと書いてある。
向こうもこちらに気づいているのか甲板に何人かの人影が見える。遠目からピンクの羽コートが見えた、なんとなくあの中では纏う雰囲気が違う…様な気がした。
そしてすぐに甲板に見たことある顔を見つけ愕然とした。
次の瞬間海賊船から発砲され完全に気が抜けていた私の右肩を突き抜けた。そのまま開戦するかと思いきや最近名前が上がってきた危険度が高い海賊団だと報告を受け、また巡視船であり戦える海兵も少ないことから逃げ帰ってきた。

屈辱だった。逃げ帰るしか無かった事にでもそれ以上に動揺した。
肩を突き抜けたのは銃弾じゃなく糸玉だった。
誰にやられたのかは明白だった。

「どーいう事ですか!?」

そして支部に戻ってきたは力いっぱい大声で電伝虫の向こう側の人を怒鳴りつける。
可哀想に電伝虫は冷や汗を流して視線を彷徨わせる。
ロシナンテは確かに、海賊団に潜入するとは言っていた。
でもこれはあんまりだ。

「なんでロシナンテが、ドンキホーテファミリーなんですか!!!調べましたよ!船長のこと。あれはロシナンテの兄ですね!?」
「ちょ!ちょっと待て!人払いは」
「してあるに決まってるじゃ無いですか!誰もいませんよ!」
「いや、だからってそんな大声で」
「納得のいくように説明して下さい!」

兄が危険視されてる海賊団の船長でそこに潜入だなんて、何考えてるんだ。

「なんでわざわざ!」

家族を裏切るようなマネをさせるなんて。

なにかあった時にロシナンテが非情になれるわけがない。
ロシナンテは優しすぎるのだ。
そして私は知っている。

子供の頃怯えて夜泣いていた訳を。
「あにうえ」に怯えていたのだ。

それなのに。

「自分から行ったんですか。」
「そうだ。」
「止めなかったんですか!?」
「止めたよ…何度も」

何で。
自分から危険に飛び込むマネをするの。
あんなに怯えていたのに。

「聞かなかったんだ。兄を止められるのは自分だけだと言って。」
「…!海賊なんて、聞く耳持ってませんよ」
「だが、ドフラミンゴは何の疑いもなくファミリーの幹部にロシナンテを迎え入れたそうだ。」
「!?なんで…」

14年も離れていたのに、幹部に迎え入れたと聞いて衝撃を受ける。
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