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海軍日誌

第3章 北の海と潜入


12歳の時に聞かされたの父親の話。

の父親は海賊だったらしい。

父親がどんな海賊だったか知りたいかとセンゴクに聞かれた。けれどはそれを拒んだ。
どんな人物だろうと海賊は海賊だからだ。
どんなにご立派な思想を持とうが海賊旗を掲げ海に出たらそれはもう無法者である。

は海兵として何度も海へ出た。
何度も海賊と相対した。街を荒らす海賊討伐にも参加した事がある。
揃いも揃ってゲスばかりだった。

中には海賊船の中に女子供を閉じ込めている船もあった。
酷く怯えた様子の彼女たちの身に何があったかなんて想像に易い。
街を荒らす海賊だって同じようなものだ。平気で暴力を振るい恐怖で黙らせ、やりたいようにする。

いつも泣かされるのは力のない女子供ばかりだった。うんざりだった。

の父親は海賊で母からは捨てられた。
自分の中で父親が海賊だったから母に捨てられたという公式が出来上がっていた。
の心のどこかがぽっかりと空いていると感じた。

恐らく母に望まれなかった命である事
海賊を倒すことで一つでもか弱き命を救う

その思いで達成感で心の空いた部分を埋めながら海軍をやってきた。
少佐まで上がってきた。

それなりに自分でも抑えられない凶暴な正義を背負っていた。

それでもはずっと忘れてはいなかった。幼い頃ロシナンテを守りたいと思ったことを、守るために強くなりたいと。

ロシナンテを守るために強くなり家族であるセンゴクの為に海軍に属した。
海賊は嫌いだから討伐を続けた
たまたまそれを評価され出世した。いや、出世し続けている。

にとって肩書きが少佐であることも周りが期待する将官もとてもどうでもよかった。


それから北の海に派遣されて1年が過ぎた。
島に立ち寄る海賊をほぼほぼ潰してきた。
なかなかの快挙らしい。
今度昇進の話もきた。

が、

は電伝虫をこれでもかというほど睨みつけていた。
コトの始まりは、海軍の巡視船で北の海を回っている時だった。

前方に海賊船を一隻発見し睨みつける。
外装はピンク色。船首はフラミンゴがイカついサングラスをかけている…なんとも個性的な船だ。
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