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海軍日誌

第3章 北の海と潜入



手紙も入っていた気がするけど、開かずにそのまま処分をお願いする。
大方断れなかったとかそういう事だろ。
部屋に誰も居なくなったのを確認してから電伝虫を父を語る人に繋げる。
ープルプルプル…プルプルプル…ガチャ

「もしもし、父ですか?」
「すまん!断りきれなかったんだ…」

電伝虫が申し訳なさそうな顔をする。
向こう側の人もそんな顔をしているのだろう。
「でしょうね、でもですね…大変申し訳ないんですけど、今はそんなこと考えてる暇はないですよ。私…」
「わかっとる。私もその辺の馬の骨にくれてやるつもりはない。」
「ならうまく断って下さいよ…」
「しかしなぁ…このまま海兵として生きていくのが幸せか、家庭を築く事が幸せか考えてしまうんだよ…」
「…私は海兵として生きて行きますよ。海賊がこの世に蔓延る限り戦い続けるつもりです。」

それじゃ。

ーガチャ

育て親であるセンゴクの立場は分かっている。
恐らく家族であることまでは分かっていないが、少なからず仲が良いと思われて頼み込まれたのだろう。
これでも本部勤めでまだ20歳で少佐だ。
自分で言うのもなんだけれど将来有望出世街道まっしぐら、容姿は多分悪くは無い気がする。(スタイルは良くない)
ホント、自分で言うのもあれだけど。腕っ節に関してはそれこそ血反吐を吐きながら血のにじむ努力をし続けている。

未来の将官と今から縁を結んでおきたいという下世話なものが殆どだろう。たまに純粋にどこぞで救われて惚れました!という話もくるけどそれは吊り橋効果ってやつなのでやめて欲しいと、そう思う。

そんな裏表の事情はともかく、とりあえず写真だけでも見てもらって〜と押し付けられ、捨てる訳にもいかずこうやってたまにではあるが纏めて送られてくる。

優しいセンゴクは流石にお願いしますと頼み込まれた物を無下に捨てるという事が出来なかったのだろう。
しかも娘として育てているはいつ結婚したとしておかしくは無い歳になっている。
の事情は分かっているが幸せになって欲しいという親心ももちろんあるわけで。

とりあえず、写真などは送っておこうと思ったのだろう。
もちろん見もせずに捨てるけれども。

は海賊が嫌いだった。
それはもう、海賊旗を見かけただけで船底に穴を開けてやりたくなるほどに。
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