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海軍日誌

第3章 北の海と潜入


は慣れない北の海へ派遣されてから数日は身の回りの整理や海軍の敷地や島全体の把握に頭がパンクしそうだった。

正直物覚えはあまり良い方でもないので、メモをとりながら色々な所を見て回った。
(どちらかというと、実戦の方が頭を使わなくて良いので好き)

「少佐、どうですか?少しは慣れましたか?」

支部でのお付になった部下から話を振られた。
少し考えてから差し障りなく答えた。

「はい、少しは…」

本当はいっぱいいっぱいである。
初めての一人暮らしは、寮生活なので食事も洗濯も負担が無いものの今まで寂しさも感じたことが無かったのは家族のおかげなんだなとしみじみ感じていた。
思った以上に寂しかった。

過保護だと悪態ついて悪かったと後悔する。今度会ったら少しは優しくしよう。と心に決める。
そんなある日支部に宛に小包が届いた。
差出人は【父】と書いてあった。

「少佐、お荷物です。」
「父…?」
「へぇ、お父様ですか?どんな方なんです??」
「え…いや、まぁ…(大っぴらにはしてないんだよね)厳しい人かな。」

子供の頃はそれはそれはよく付いて回っていたけど、大きくなるに連れ海軍でのお互いの立場もあり、家族である事は公言していない。
もちろん、拾われた時から付き合いのあるガープ中将やお鶴中将たちは知っているけれど。
知る人ぞ知る。
隠している訳では無いが公言もしていないのだ。

センゴクさんは今や大将ではまだ少佐だからね。やっかみとかあってセンゴクさんの足を引っ張るわけにはいかない。常々そう思っている。

「またまたぁ!離れて暮らすようになって心配で差し入れかなにかじゃないですか!?」
「差し入れにしてはなんか…ずっしりと…してるような…」

デスクの上にあるカッターで中身を傷つけないように開くとそこには…

「お見合いの釣り書きですか…?」

箱の蓋部分は途中までしか開けなかった。
中に何が詰まっているのかが分かってしまったからだ。

「……これ、纏めて捨てておいて。」
「え!ですが…」
「……[カチッ]ふー……捨てておいてくれるかな?」

タバコに火をつけ語気を強めにお願いする。

「は!はい!!!」
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