第3章 北の海と潜入
着替えてから参加するとの言葉通り、海軍の制服ではなく私服だ。
せっかくのショートパンツにキャミソールそしてぶかぶかカーディガンを羽織ってていつもの男らしい(失礼)上司とはちょっと変わり、女性らしいのにビールを煽る姿はなんとも男らしい上司に部下たちはちょっと引いていた。
「おかわりーーー!!!」
どんどん飲んでいく。
周りにいる付き合いの長い部下が止めるのも聞かず、ハイペースに飲んでいく。
「(あー!イライラする)」
センゴクさんが、詳しく教えてくれないのは仕方がない。
どうせロシナンテが口止めしてるのだろう。
だが、力になって欲しいと言う割にロシナンテからなんの話もないのはどういう事だ。
納得いかない。
ふと頭に浮かんだ単語が口から出る。
「あにうえ…か。」
「あれ?少佐って良いところの出身でした?」
「いーやー??東のスラム出身よ。なんで?」
「いえ、兄上なんて言うからお兄さんの事そう呼んでるのかと…育ちがいいって事ですよね?俺なんて兄のことはアニキって呼んでますよ」
「そうなんだよねぇ。普通アニキとかだよね…そういうのも知らないんだよ。おかしくない!?13年だよ!13年!!!風呂だって一緒に入った事あるし!一緒の布団で寝てたよ!?」
「少佐??何の話ですか?」
「ファーストキスだってあげたのに!!なにが不満なんだぁぁ!!」
「ちょ!この人酔っ払ってとんでもないこと言い出したぞ!!」
「おかわりいいぃぃ!!!」
「「もうやめてくださいーー!!!」」
後の事はまったく覚えてない。
あーだのこーだの文句を言いまくり酒を煽り。
気がついたら、飲み屋近くの宿で寝てた。
「まずい…今何時だろ。センゴクさんに怒られる…」
時計を見ると既に朝方に差し掛かる時間だ。
は二日酔いで痛む頭を抱えた。
近くの宿で寝ていたのはまぁ、良い。
いや良くはないが誰かと寝ていた訳ではなくちょっと安心した。
部屋も1人部屋だ。
服も乱れてはいるが、怪しい点はない。
潔白だ。