第3章 北の海と潜入
ふと口寂しくなり、窓を開ける。
「はぁぁぁぁあーーーー!!」
タバコを思いっきり吸う。
一応個室ではないので窓を開けるよりも外に出るという気遣いは必ずするがろくでもない事に巻き込まれた気がしてならなかった。
しかも説明もろくになく。
イライラから、周りを気遣う事もなく思いっきりタバコをスパスパ吸う。
ヘビースモーカーではないと思っているがストレスを抱えると、いつからか酒とタバコに逃げるようになっていた。
可愛らしい同僚やら同期は甘いものを求めたり、合コンなどで発散するらしいが、あいにくは可愛らしい部類には混ざれなかった。
なんなら鍛錬場にいって部下をしごいたり自分を追い込む事も好きだ。
「北ねぇ…」
は東の海出身だ。比較的平和で気候も落ち着いている。
派遣されるならそっちの方がよかったなと思う。
北は治安もよろしくなく、雪が降り続く島も多い。
なんなら派遣予定のスノータウンは名前の通り一年を通して雪が降る。
「少佐!あの、送別会をしたいのですが…」
「え?誰の?」
「少佐のですよ…」
「んーーーー????っても、派遣だしなぁ。戻ってくるんじゃん?いずれは…あ!わかった!理由をつけて飲みに行きたいんだね?いいよ行こう。奢るから。
時間合う人はみんなおいで。飲んで楽しもう。うん、北とか行きたくないところに行くには素面じゃ無理だ。」
部屋にいたみんなが喜ぶ。みんな娯楽に飢えてるのね。
まぁ、海軍っていったって本部じゃなかなかハメも外せないしね。
仕事中なのに、店予約してきます!なんて言って2人くらい出かけて行った
そして北の海出身者が嬉々としてメモを持ちながら観光スポットを教えにきてくれた。一通り教えてくれて満足そうにデスクに戻り仕事を再開し始めた。
「好きだねぇ、みんな。」
がやがやと少し落ち着きがなくなった部屋を見ながら新しいタバコに火をつける。
「少佐、ちなみに当日は私服でしょうか。」
「好きな方で良いよ。」
「あ、いえ、少佐はどちらを着て来られますか?」
「私?んー?服着替えてくよ。こんな堅苦しい服着て飲むとか無理。」
「やった!あ、いえ!わかりました!」
そこへ新人海兵の1人がよほど楽しみなのだろうか、足取りも軽く近寄ってきたと思ったら服装の確認だった。