第3章 北の海と潜入
そうして時が経ち、が20歳を迎えた頃大将がいる部屋に呼ばれた。
「おぉー!来たか!来たか!」
ノックをしてからドアを開けると部屋にはセンゴクとロシナンテがいた。
子供の頃は同じくらいの背丈だったロシナンテははもちろんセンゴクよりも伸びた。
ひょろひょろしていた体も相当鍛えてガッチリしている。
「海軍本部少佐参りました!」
「固い挨拶はせんでいい。」
「いえ、一応勤務中ですので」
「ぶっ…」
「笑わない!ロシナンテ中佐!」
センゴクさんに対して敬礼し挨拶するとロシナンテに笑われた。
子供の頃は泣き虫だったくせにいつのまにかお互い立派な海兵になっていた。
「まぁまぁ、今回はにはロシナンテの力になってほしくてな。」
「?」
「これから、ロシナンテは北の海に行きとある海賊団に潜入する。そこで、には北の海の支部に行って欲しい。」
海賊団と聞いた瞬間の、表情が固まった。
海賊に潜入?
本部にいるのにわざわざ北の海に?
「…それは……まぁ、辞令が出されれば従います。もちろん。」
悲しきかな、組織に所属するという事はある程度は上に従わなくてはならない。辞令を出されれば余程のことがなければ首を縦に振らないといけないことをは重々承知している。
しかし当のロシナンテが私と目を合わせないことが非常に気になるが、そこは後で聞き出そうと思い直す。
海軍の中で騒ぐわけにはいかない。あくまで勤務中だ。
「北のどこですか?グランドラインから遠いですか?」
「いや、グランドラインに入る一個前の島だ。スノータウンに行って欲しい。」
「…分かりました。」
グランドラインへ入港する手前の島という事は、それなりに忙しいであることが分かった。
「…辞令はいつ出ます?」
「来週にでも。」
「結構急なんですね。」
じっとロシナンテを見るがもはや顔を逸らしている。
恐らく原因はロシナンテだ。
「仕事ですからね、しますよ。もちろん。」
こうして、北の海への異動が決まった。しかし納得はしきれていなかった。
引き継ぎをすべく自分の仕事を周りに振っていく。
異動とは簡単にいうが、残されるみんなの手を煩わせないように、丁寧に説明やメモを書く。