第2章 暖かな日々
「…?」
ひとまず毛布をかけてやり朝食を準備し、朝の鍛錬に出る。
寝たフリをしてしまった。
センゴクさんが起きてきたので慌てて寝たフリをして掛けてくれた毛布に顔を押し付けた。
もう、夜中ロシナンテと分けた恐怖は残っていなかったけどなんとなくそのまま眠れなかった。
いつも通り朝食を作るセンゴクさんをこっそり見て日常を感じやっと普段通りの自分が戻ってきたように感じる。
強くなりたい
漠然と思った。
ロシナンテがもう泣かなくていいようにしたい。
私が強くなって守ってあげなきゃ。
いつまでもセンゴクさんの後ろに隠れなくても良いように。
そう決意して、ボヤけた頭の中をスッキリさせたくてシャワーを浴びて着替える。
まだロシナンテは寝ているし、センゴクさんは戻ってきていない。
私は、センゴクさんの後を追って鍛錬場に向かう。
「どうだ?お前の所のちびっ子達は?」
「どうって…まだ子供だ。」
「まだ雑用か?」
鍛錬場から、2人の声が聞こえてくる。
センゴクさんと…ガープさんだ。
「お!噂をすれば!こっちが小さいほうか?」
「小さいほうって…、早いな。どうした?」
「あの、えっと…あの!!!
強くなりたいんです!!」
面食らったような顔をする2人は顔を見合わせる。
「まだ小さいからな…」
「やめろガープ、鍛えようとするな」
小さいから鍛えられないって事だろうか。
大きくなるにはまだ先が長すぎる。
早くロシナンテを守ってあげたいのに。
「でもそうだな…まずは見聞を広げるのも悪くない。、色々なやつと行動してみるか?私やガープそれだけでなくお鶴さんなんかにもついて行ってもいいかもしれない。」
「強くなれる…?」
「強くなっても一方向からの考え方だけではいざという時に偏った考えになるかもしれん。色々な人の色々な考え方を側で学ぶのもいい勉強になるだろう。体はいつでも鍛えられるが、考え方というものは早くから吸収したほうがいい。」
見聞を広げる。
センゴクさんからの言葉通り、ガープさんやお鶴さんの元で雑用をこなす日々を過ごした。
海軍の将校はそれぞれ自分の信念や正義を背負っていた。