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海軍日誌

第2章 暖かな日々


の能力はそのままナイショと言うことにして、いつも通りの日々を過ごした。
センゴクさんの仕事を手伝ったり、雑用したり。
夜は仲良く3人で寝る事も欠かさなかった。
相変わらずあるロシナンテの夜泣きはだいぶ頻度が減ってきたような気がする。

そんなある日。

「うっ…あ、にうえ…」

がばっとは勢いよく起き上がった。

「(前にロシナンテは兄上がいるって言ってた。でも…なんでそんなに苦しそうに呼ぶの?何があったの?)」

はロシナンテの手を握り頭を撫でた。
怖い夢なのだろうきっと。ぐすぐすと涙を流している。
センゴクさんに出会うまでに何があったのかと寝ている本人に聞きたかった。でも本人が話さないのだから聞いてはいけない事なのかもしれない。そう自分に言い聞かせる

今はまだ出来ないかもしれない、でもせっかく家族になったんだから少しで良い。辛いことは分け合おう。
楽しい事もみんなで分け合おう。
1人じゃ辛くても2人、3人なら乗り越えられる。
楽しい事だってみんなで分ければもっと楽しく感じるから。そう強く願った。
この辛さを私にも背負わせて欲しい。はこの時意図せず能力を使ってしまった。
漠然とした恐怖が自分の中に流れてくる。

「(なにこれ…良くわからないけど…怖い)」

手が震える、ふとロシナンテを見るともう泣いていなかった。

「(私、能力使ったんだ…感情すら分けることが出来るってこと?だめ、怖い。ロシナンテ…いつもこんなに辛かったの???)」

震える手をロシナンテから外し、自分の体を抱きしめる。
隣ではセンゴクさんが今日も疲れたであろう、よく眠っている。

「(だめ、勝手に能力使っちゃった私が悪い…耐えなきゃ)」

静かに寝床から抜け出しリビングにあるソファに身を沈める。
今でも手が震え漠然とした恐怖が頭を支配する。
まるで目の前に血まみれの殺人鬼がいるような恐怖。

「(このまま眠れるかな。明日も雑用あるし…眠れないと困るんだけど…むりそうかな…)」

そのままなにもする気にならなくてボーッと壁を見つめて朝まで過ごすのだった。

センゴクが朝起きると、が居なくなっていた。

リビングに行くとソファで膝を抱えて眠っていた。
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