第2章 暖かな日々
の怪我が回復するのを待ってから話をしようと思ったが思いのほか重症だったようで意識は次の日やっと戻り、あちこちに包帯が巻かれ痛々しい姿になってしまった。
その後海軍本部に戻り、色々と調べた結果
は【ワケワケの実】を食べていた事が判明した。
それはまだセンゴクと出会う前に、変な不味い不思議な実を食べた事があると本人が覚えていた。
残飯漁りや、万引き窃盗は当たり前だったらしいのだが、その中でも唯一見た目は変だけど新鮮そうなのに味がとてつもなく不味かったらしい。
強烈だったと本人が自白したので、まず万引き窃盗はもうしてはいけない事だと言い聞かせたが本人も分かっていたらしく
「もうしません、ごめんなさい」
と、泣きながら言っていた。
ワケワケの実というものは聞いたことも無くセンゴクとは実験をしてみた。
まず、食べ物。
の指定する割合で綺麗に分ける事ができた。
5:5なら綺麗に半分に出来ると言った感じだ。
次に怪我、疲労度合い。
怪我した相手と自分で分ける事ができた。
自分が怪我した場合も相手に分ける事ができる。
これは、センゴクとの時のように全部分ける事も出来が、割合でも分けることが出来るようだった。
人体に対して
これは実験するのも憚られるので、虫で実験してみた。
体を半分とか、足を半分など…なにも分ける事ができなかった。
ちなみに、センゴクの怪我を自分に分けた日からひと月経ったが本人はまだ包帯をあちこちに巻いていた。
怪我をセンゴクに戻せと言われたがは頑なに断った。
「…ふむ。大体分かったが…あまり使わない方が良さそうな能力だな」
「え?そうですか???」
「分けたとてが辛いだろう…怪我が早く治るワケじゃないようだし。」
「そうだよ、怪我したら痛いんでしょ?」
初めて怪我を分けたときの激痛を思い出して顔を歪める。
「めっっちゃ痛かった。でも、センゴクさんも痛かったって事でしょう??」
「…」
あれで動いて帰ってくるんだもん。
やっぱりセンゴクさんは強い。憧れる。
「とにかく使わない方がのためだ。その力を悪い事に使おうとする奴もいるかもしれん。あまり人に見せない方が良い。」
「秘密ですね!」