第1章 ドフラミンゴの女
誰かのために何かしたいとかじゃない。
コラソンの傷の手当を手伝ったのも、血を流すローにタオルを持っていくのも動く原動力は【ドフラミンゴに捨てられたくない】から。
生きるのも嫌なのに、死にたくない。
全てのことがどうでもいいのに。
ただそれだけだった。
痛いのは嫌だろうなとか、その程度のつもりだった。
コラソンの包帯を巻いたあと、ドフラミンゴの元に行った。
機嫌を損ねてはだめだ。
彼は独占欲が強い、
手なずけたいペットが他の人に懐くのは面白くないのだろう。
「コラソンの傷はどうだった?」
〖痛そうだった〗
「…心配か?」
〖あなたの弟だから〗
「フフフ…しばらく毎日包帯をかえてやれ。」
こくりと頷き、ドフラミンゴに近寄る。
頭をくしゃりと撫でてくれる。
機嫌を損ねちゃダメ。まだ死にたくない。
【でも、いつまで死にたくないんだろう】
よく分からないけど。
でも、いつかこの人の盾になって死ねたら怖くないかもしれない。
こうして、私は死ぬその時までこのドンキホーテ・ドフラミンゴのそばにいる事を決めた。
飽きて捨てられるかもしれないけど、それでもいいかもしれない。
どっちかかな。