第9章 彼を知る人
「よーく考えてみろ。コラさんがそんな事したか?」
「…しない。」
懐かしい名前が出てきてローの顔を見る。
「嫌な事を強要したか?」
「しない。」
思い出の中のコラさんはいつも優しかった。
怖い時は背中に庇ってくれたし、私の意見を尊重してくれた。
「それが愛だと…俺は思ってる」
愛してるぜ!
いつだったか言われたことがあった。
コラさんが船を降りた時かな。
「うん。」
「泣くなよ」
「うん…ごめん」
間違えたのはドフラミンゴか私か。
プルプルプル…プルプルプル…ガチャ
「レオか…あぁ…分かった。
悪いなせっかくの所なんだが、海軍が動き出したらしい。」
「はっ!そうだべ!俺はそれを言いに来たッペ!」
どうやら怪我を癒している間に、海軍も動いていたらしく包囲され始まっているらしい。
勿論そこは、この黄緑頭の人や周りが逃がしてくれるべく色々準備してくれているらしい。
「真っ直ぐ進んでくれぇ!準備はできてるっぺ」
慌ただしくも準備をしすぐに出発する。
キュロスさんの家から出て直ぐに海兵たちに囲まれるがバリアをはってもらいつつ走り抜ける。
ルフィさんはやる事があると言って一旦離れる。
キュロスさんとレベッカの2人に対して思うところがあったのだろう。
情にあつく義理堅い。
そしてローよりも行動派な彼はあっという間に姿が見えなくなった。
「はぁ、はぁ…っ」
そしてみんなで港を目指して走っているのだけれど…
「っ…はぁ…」
さすが、鍛えているだけあって息も上がらず走っているなか、私は早々と限界が来た。
息も上がり足の感覚も無くなってくる
こんなんで海賊やれるのかと情けなくなる。
みんなたくさん怪我しているのに対して私はそんなに怪我もしていない。
それなのに少しずつ集団から遅れていく。
足がガレキに取られ転びそうになった時だった
「シャンブルズ」
気がついたら、ローの背中に居た。
「え…」
「黙ってろ。舌噛むぞ」
そして、お前が持ってろとローの愛刀鬼哭を持たされる。
もう自分が情けなくなってきてローの服に顔を埋めるしかなくて、大人しくする事にした。
何も言うまい。