第6章 希望の光
衝撃だった。
ローが心配?
「13年間…生きててくれて良かった」
私は、心配されるような覚えはない。
特別仲が良かったわけでもないし、なんならあの雪の日にあの場にいたのなら恨まれる覚えはあっても、心配される覚えはない気がする。
「なんで?私ローと仲良くなかったよね」
「何でだろうな。」
「…私も、ローが生きててくれて良かった。」
コラさんが守ろうとしたもの。
なぜそれがローだったのか、わからないけど
きっとそれには複雑な理由なんてないのかもしれない。
でも、今のローの顔を見て思う。
コラさんの愛はローにしっかり残ってる。
そして、わたしにも。まだしっかり残ってる。
私は今日をきっかけにきちんと向き合わなければいけないような気がした。
今まで色々なことから目を背けてきた。自覚はある。
いつまでも自分の力のように使えないナギナギの能力。
確かにドフラミンゴにバレないように使う機会はほとんどないに等しかった。
でもどうだろう。ドフラミンゴはじめ、ローや能力者はしっかりと自分のものにしている。
私はいつまで能力を借りているつもりなんだろう。
雪の降るあの島であの日コラさんは死んでしまった。
私が引き金を引いた。
その事実からずっと目を背けてきたんじゃないか?
何度も夢に出て繰り返し見たのに。
未だにどこかにコラさんは生きているなんて都合のいい考えをしているんじゃないか?
コラさんは死んで悪魔の実だってこうして今私が能力として持っている。
どうひっくり返しても、事実は変わらないのだ。
いい加減その事実を受け止めなくてはいけないのではないだろうか。
「あのね、ロー…聞いて欲しい事があるの」
「なんだ…?」
「あの日、あの雪の降る島でコラさんを…撃ったのは私なの」
「…」
時が止まったように周りがしんとする。
自分の心臓がうるさい。
「ドフラミンゴに操られたなんて、言い訳だと…私のせいだってずっと苦しかった。」
目の奥がつんっとして、涙が頬を伝う。
「私が弱いからだって、ずっと責めてきた」
「お前のせいじゃねぇ!あれは、ドフラミンゴがやったことだ。卑劣にもお前の体を使ってな」
ローと目が合う。
その目はファミリーで会ったばかりの目とは違っていた。